進藤一考
- 歌澄

- 1月26日
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昭和4年 8月1日神奈川県横須賀市に生れる。本名一孝。
昭和19年 名古屋の旧制中学校時代校長であった自由律派の池原魚眠洞の講話で俳句に近づく。
昭和33年 「河」参加同人。
昭和50年 「河」主宰を継承。
昭和54年 「人」創刊。俳人協会理事。
平成10年 「人」創刊二十周年記念号刊行。
平成11年 3月17日膵頭部癌のため永眠。享年69。
(『俳壇』1999年6月号「追悼 進藤一考」及び『自註自解俳句シリーズⅡ期 20 進藤一考集』より抜粋)
〈句集〉
『斧のごとく』(昭和57)
大寒といふ一徹さ旅仕度
松の芯日本武尊の匂ひせり
郭公の千年ほどの遠さかな
茸食べ露が仏を見せはじむ
短日や斧のごとくに噴煙は
『黄檗山』(昭和59)
龍とゐて栄螺の肝の苦さなど
六月やくらげの旅と駱駝の旅
赤とんぼ舟屋に馴れて海の上
山系を出て水系の秋の風
我儘に句は作るべし牡丹雪
『櫂歌』(平成4)
白梅や睡魔が神の姿して
さくら来て死は旧暦のおもひかな
油虫飛んで見せたり高野山
捨て水をこほろぎの嗅ぐ山の暮
なにをしてさみしくなりし氷点下
『太陽石』(平成5)
日脚伸ぶ一挙手一投足の影
風鈴のつぎつぎ鳴つて死者の道
あめんぼう脈摶つたびに遡る
ゆきあたりばつたりに来て山の柿
太陽石や風の高みへ鷹柱
『貌鳥』(平成6)
貌鳥や志貴の県の潦
地獄湯に椿の落ちて廻る廻る
睡蓮の流れ来たりしごととどむ
五稜郭その一辺の秋の風
冬の蚤跳ねて天使に加はりぬ
『白昼』(平成10)
海人の胸三寸の雲の峯
白昼と同色のシャツ法隆寺
尺蠖や世上に城の抽きんでて
紅葉且つ散る一身となりしかな
点ずれば寒灯消せば雑木山
『真紅の椅子』(平成11)…遺句集
夏雨や疑似餌に眼ありつぶらなり
火焔土器雲に九月のうごき出て
陽炎よ真紅の椅子にかけたまへ
梟の金環食のまなこかな
湯気立てのゆたかに継いで明日を期す
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