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俳句グループ三日月
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太箸のその選びたるものを食ふ
『真紅の椅子』より 平成八年。 太箸は新年の膳に用いられる白木の太い箸。角川文庫の『俳句歳時記・新年の部』(昭和六十二年)によると、「なぜ太いかといえば、足利七代将軍義勝が、元朝に用いた箸が折れ、その年の秋に落馬してわずか十歳で死んだので、新年の箸は折れないように太くしたのがはじまりだという」とのこと。素材は折れにくい柳や檜などを用いる。両端は細く、中心部に膨らみがあるのは「孕み箸」にも通じ、子孫繁栄を祈念するものでもある。両端が同じ形なのは、一方は神様(年神)が使うためで、新年の膳を年神と共に頂く神人共食の意味合いがあるという。 掲句はそんな「太箸」の在りようを余すところなく表現している。「その選びたるもの」は太箸、つまり食事を共にしている年神が選んだということだろう。自分であれこれ選ぶのではなく、箸を構えたまま神様に任せているゆったりした作者の様子が覗える。節料理も品数多く、色とりどりに詰められていて、どれから食べようか迷うようなものなのだろう。それぞれの品に込められた願いにも思いが至る。その中に太箸の白さが浮立ち、大らかでめでたい新年の

歌澄
1月28日読了時間: 3分
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